こんにちは!
東京三鷹市のパーソナル水泳インストラクターの酒井やすはです。
「子供の時から水泳をやっていると、どんな風に育つのか?」…全員が全員同じ人生ではないにしても、やっぱり習い事としてやるには気になるところですよね。
体にうれしい変化から、私を含めた水泳初心者からベテラン組まで、色々な体験談をまとめました。
体験談はその人の人生の一部分であるので、本当に個人差もあると思いますが、参考になれば幸いです。
水泳中のカラダの中
運動が苦手と言われる子供さんや発達障害の子供さんは特に、テニスをするなら、ラケットを持っている方の手は意識していて、体の他の部分は全くかほとんど意識が向かずに、体がねじれていたり、足が交差していたり、片足ジャンプしていたり…と姿勢が崩れていたりします。
「運動神経悪いわね」「何でできないの?」「ちょっとのことで、こんなにすぐ疲れて…」などなど、決してダメ出ししないでください。
子供たちの体がどうなっているのかと言いますと、「今使ってる体に一点集中!」してるんです!!
腕なら腕に、全神経、意識が集中しているのです。
驚くべきパワーだと思いませんか?
一瞬で周りの音が聞こえないくらいに集中して、全意識がそこに向かう…だから運動を終わった子供たちは頭も体もクタクタに疲れているのです。
例えるなら、水泳するごとに、「試合に出て全力投球している」「いつも大会で完全燃焼している」状態です。
水泳の試合でも時々、プールから上がれなくなる選手がいます。
お正月の箱根駅伝でも、ランナーがゴールしてそのまま倒れこんで動けない場面を見ます。
オーバーな例えに思われるかもしれませんが、大人と違い子供は体力の限界を知らないで動き回っているので、このくらいに目の前のことに集中して限界をこえています。それを考えると、決してオーバーではないと思います。
こんなミラクルなことが子供の中で起こっている!!と思われたら、自然と「よく頑張ったね~」と声が出てしまいますよね。
本当によく頑張ってるのです。
私はいつも練習中、無事に泳いで来たことそのものが本当に奇跡だと思って接しているので、これにプラスして「アドバイス」を頭のなかに入れながら泳いでいる子供は本当にスゴい!!と思ってます。
体も脳も、血液がジャージャー流れてフル回転してます。
だから子供の頭も真っ赤です。プールの水がひんやり冷たく感じます。
1日でクロールが泳げた!子供
私のところへ「泳ぎがどうもできないんです」という相談でいらっしゃる方は多くいます。
バリバリ運動が得意という子供さんではありません。
傾向として「ほぼ全員に、運動の苦手意識」があり、何となく緊張しているのか引っ込み思案だったり、大人しそうな子供さんだったり、自信がなさそうだったり…という子供さんです。
そのような子供さんでも、「一回のレッスンでクロールができた!」「練習時間の残り20分で、平泳ぎの脚の練習をしたらできた!」「初めて背泳ぎの練習をしたけど、25m泳げた!」「1年間で4種目達成した!」という方が続々と出てきます。
私個人として、スクールでの指導経験があるので、「どうして何か月も時間がかかる子供さんがいる一方で、短期間で泳げる子供さんがいるんだろう?」と不思議に思っていました。
内容が濃いからダイレクト
理由の一つとしては、基本的にマンツーマン指導しているため、一人一人にかける時間が長く、内容が濃いことで、指導の効果がダイレクトに表れているのかなと思います。
子供さん一人一人のペースに合わせて休み時間をとったり、苦手な練習は繰り返し時間をかけて行うなど、時間を有効に使えるのです。
クロールから始めなくて、いいんです
二つ目の理由として、クロールから始めないことです。
どういうことかと言いますと、私は子供さんの姿勢を見て、水の中で動きやすそうな形を見つけ、泳ぎやすくなる練習を探します。
スクールでは「クロール」から始め、背泳ぎや平泳ぎを習い、最後にバタフライを習う…練習が一般的です。
全く悪くはないと思いますが、すべての子供にそれが当てはまるわけではないので体の見極めが必要です。
同じクロールから始めるにしても、その子供にとって必要な練習が必要な分だけできるかが大切です。
もしかしたら、顔が水にかかることが怖い子供さんは、無理にクロールから練習するよりも、背泳ぎの練習から始めた方が、達成が早い可能性があるからです。
背泳ぎの練習で水と親しんでからクロールの練習をしても遅くはないのです。充分に背泳ぎで水の感覚をつかんでおけば、クロールを達成する時期も近くなりますし、「水泳嫌い」にならずに運動することができます。せっかく頑張ったのに「もう水は嫌だ」と言われることは、インストラクターとしては一番悲しいことです。
子供が明るくなる!性格が変わる!
三つ目の理由として、こうして水と親しんで、日々達成感を感じながら練習することで子供たちの中で自信が生まれ、引っ込み思案な子供さんが明るくなっていきます。元々元気な子供さんは、落ち着きさを持っていきます。
水泳という、自分の体と向き合って、「こんなに泳げるようになった!」という達成感や喜びは、本当に感動ものです。
日々大人しい子供さんの親御さんから「家に帰ってきて第一声、笑顔で『泳げた!楽しかったよ!』と言われました」というメールをいただいたこともあります。
また、運動する子供は「集中力が高い」「あきらめない」などと言われます。
私の生徒さんの子供さんを見ていて感じることがあります。
25m泳ぐために、何本もプールを往復して練習し続け、練習では25m以上確実に泳いでいます。そして、25mきれいに泳げるようになったというゴールを達成します。
こうして基礎体力がつくからこそ、あきらめないというよりも「やり続けることができる」、その結果「集中力を持続することができる」「本当に気が済むまでやり続けることができるから、なかなか諦めない」人が多いのだと感じています。
アクアマルシェでは、練習中に(子供たちに気づかれないように)、毎回水の世界のルールや体の使い方をお伝えしていきます。
年齢にかかわらず、子供たちの中で水から色々学び取っているようで、水泳中にケンカが起きることは少ないです。雰囲気もあるのでしょうが、水の中の事故を本能的に防ぐためかもしれません。
思いやりが持てるようになると、一緒に泳ぐ仲間を「敵」ではなく「仲間・ライバル」として迎えることのできる懐の大きい人になります。
普段と違う環境で泳ぐこと、周りと切磋琢磨すること、一緒に泳ぐ人を敵と排除せずにお互いに励ましあえる…まさに「スポーツマンシップのある人だ」という人として成長します。
地元のスポーツ大会に参加して、違った景色を見ると、とても面白い経験になります。
緊張感を乗り越えた力は、さらなる自信へとつながります。
大会で多くを感じとることは、新たな自分の発見をするかもしれません。
水泳という競技の特性上、順位が良くても自分のベストタイムでなければ、素直に喜べずに悔しいと思う気持ちも出るかもしれません。悔しさも喜びも、成長のばねになり、大切な思い出になるはずです。
一生モノの水泳
四つ目の効果は、生涯楽しめるスポーツとして、一生付き合えることです。
星の数ほどあるスポーツの中で、一生付き合えるスポーツは絞られていきます。
しかも全身運動で、体や水の世界のルールさえ知っていれば、いつも楽しめます。
クロールの泳ぎ方は1種類ではありません。
私たちは、その時々の体の調子に合わせて泳ぎ方を変えることもお伝えします。
レッスンが終わっても、また学校や地元のプールに練習しに行ったときに「復習できるレッスン」なのです。
そして子供が大人になったとき
大人になっても、40肩になっても、人工関節が入っても、腕が回せなくても、脚に力が入らなくても、泳ぐ方法があります。
体の動かし方を知っていれば、その時々に応じて、泳ぎ方を選べる人になれるのです。
それはイコール、将来ずっと机にかじりついて集中して勉強に打ち込む必要が出たとき、社会に出て働いているとき、友達とめいっぱい遊ぶとき…基礎体力、そして無理のないカラダの使い方ができることにつながります。
水泳はその基礎体力を着実に固めてくれる効果のあるスポーツです。
とりわけ選手を目指さなくても、それは可能なことです。
海に遊びにいったり、山に遊びにいったりするだけではなく、その基礎体力とカラダを持ち味に、ゴルフ、アクアスロン、トライアスロン、マラソン、…水の世界を越えて、様々なスポーツにチャレンジすることも叶います。
トライアスロン人口の中で、趣味として続ける方の半分以上は、ランニングや自転車ではなく、水泳をきっかけに興味をもって始めたというデータもあります。
平日はイキイキと思いっきり仕事をし、休日は目いっぱい遊びに打ち込む、…そんな日々を楽しんで働いて過ごす大人は子供たちからもキラキラ輝いて見えるはずです。
私自身も子供たちから「こんな大人になりたい!」と思われるようなインストラクターでありたいと思いますし、水泳を通じてご縁のあった子供たちのサポートをしたいと思っています。