脳を活性化させる方法について

こんにちは!
東京三鷹市のパーソナル水泳インストラクターの酒井やすはです。

スポーツをすれば自然と脳は使われていきますが、「水泳はどうなんだ?」という方もいらっしゃると思います。

競泳だけでなく、アクアビクスやリラクゼーションやシンクロや水球や…色々な水の楽しみ方から総動員して、ジェットコースターのように一気に魅力をお届けします。

ぜひ普段の練習のとき、頭の片隅のポケットに入れておいてくださいね。

水の中で黙とう?

部活動の合宿や座禅などで黙とうの時間があります。
ヨガなどをやっている方はわかりやすいかもしれません。
精神を統一させて、自分の中に意識を向け、雑音も周りの風も温度も何も感じず、ただただその場の空気と一緒になっていく…。

水中でも同じように、立った状態でも仰向けの姿勢でもうつ伏せであっても、「だるま浮き」と呼ばれるような体育座りの状態で静かに浮く姿勢でもできるので、やってみてその前後の気持ちの変化を感じてみてください。

目を開けた時にちょっと光がまぶしく、頭がスッキリしたり、まだ片付け途中な脳を感じたり、様々だと思います。

正解も間違いもありません。
黙とうそのものが脳をリラックスする体制をとろうとするため、練習の前後、途中、好きな時にちょっと取り入れてみて練習中の力の入れやすさや抜きやすさを感じてみてください。

つらくても笑ってみる♪

「つらくても歯を食いしばってがんばれ」という言葉があります。
整体学的に言いますと、歯を食いしばると頭蓋骨が固くぎゅっと締まります。
赤ちゃんが生まれてくる時、少し隙間が空いていた頭蓋骨が閉じられて生まれてでてきます。大人になってもこの骨の境界線は普段から少し隙間があり、その時々の体調や気分の変化で隙間が変わっています。

女性の場合や気持ちがゆるんでリラックスしているとき、頭蓋骨もゆるんでいます。
それが背骨を通って骨盤に伝わります。
逆に骨盤がゆるんでいるときは背骨の骨が一本一本ゆるんで、その動きが頭蓋骨に伝わり、頭蓋骨もゆるみます。
女性が生理のときに頭痛を感じる原因の一つに、骨盤が閉まったことで背骨も締まり、頭蓋骨もぴったりキチキチに締まってしまうことが挙げられます。

笑った状態でいると、口(下あごの骨)から頭蓋骨にゆるみが伝わり、背骨も骨盤も開き、胸も開きやすくなります。リラックスした姿勢ですね。
歯を食いしばると気道が締まり空気が入らなくなり、頭蓋骨も締まるため、脳はストレスフルな状態になります。パフォーマンスとして出す時にはよいかもしれませんが、次第に険しい顔つきになり、動く幅も狭くなります。

クロールやバタフライなど、競泳でゴーグルをつけているときも笑ってやってみると、ちょっと背中の使い方が変わります。この動きの中で「よさそうだ」と感じたものは「よいクセ」を脳にどんどん刷り込んで覚えて行ってもらいましょう。体を動かすことで体のパーツも自然と覚えるくらいに繰り返し繰り返しトライしてみると、より深く体を観察でき脳が活性化します。

笑って立ち泳ぎをする

立ち泳ぎで泳ぐとき、背骨をしゃんと立たせるために、座骨という座るときに椅子にあたる二つの骨がまっすぐ下を向いていることをキープすることが大切です。
同時に笑いながらやってみると、ちょっとぐらつきますが、疲れは感じさせません。

笑ったときのホルモンで、痛みやつらさを感じにくくなる「自然と自分の体から麻酔が出る」状態になるのです。
転んだときにも出るホルモンが、疲れに一役買ってくれるのです。

また人は笑顔を見ると、相手が好きか嫌いかにかかわらず、コミュニケーションをとること姿勢ができます。ムッツリした顔を見ると、その印象で人はコミュニケーションを自然と避けようとします。

特に口はすぐに笑えるので、目を笑うことができるまでやってみましょう。

口を隠した時に目が笑っていないことはとても多いものです。
また自分の顔の表情は、周りから注視されることはなくても、無意識に振りまいているものです。道行く人の顔が「お疲れ顔」なら脳内のミラーニューロンが反応して「お疲れ顔」が伝染します。「笑顔」の人を見ると自然とほっとしたり「笑顔」を返している自分に気づくことができます。

泳いでいるときに「真顔」になっていませんか?
競泳でもアクアビクスでも、練習中は「真顔を笑顔に」ぜひ変えてみてください。

人とのコミュニケーションをとろう、と脳がピピっと反応する土壌を作っておきましょう。
このトレーニング一つで、水から上がった後の毎日でも、脳が活性化していく手助けになります。

ちょっと辛いけど続けられるポイントを探して

筋トレでも水泳競技でも、体を動かすので疲れてきます。
バテバテに疲れるところまで疲れてみて、という体験も体を復活させる能力を高めるためにスパイスとして時々入れると、大会を意識している人は特に瞬発能力や持久力を高めるために効果的です。

「健康目的でそこまでしなくてもいいかな」という方にお勧めなのは「ちょっと辛いけどがんばれそう」というポイントを見つけることです。
基準としては、練習した後に、体の中に風が通ったようなさわやかな気持ちになります。
「ちょっと辛いけどあと5分がんばれそう」「あと100m泳げそう」というように数字を使って目安を作ると、「今日は体調が悪かったけど昨日と同じくらい踏ん張りがきいたな」とモチベーションを高めることも比較することもできます。
比較はあくまで自分自身の「振り返り」として使ってみてください。
ここで「あー自分はダメだ」と思ったら一気に「さわやかな風」が体を通らなくなります。

青空の中「水泳をして、水から上がっても笑顔でいられる、達成感も感じている爽やかな自分」をイメージして、やってみてください。

自分を高めてくれる気持ちは、脳にとっての大好物です。

笑顔が作る気持ちのリレー

人と会った時に笑顔を見ると笑顔が伝染するというお話をしました。

アクアビクスなど体は水中にあっても顔は水の上に出ている運動では、相手の表情はダイレクトに自分に届きます。
自分の表情もしかり、です。

インストラクターは陸上で「水中と同じように動く」ことで、脚がプルプル震える姿勢もとらなければなりません(笑)
そしてお客さん何十人が一斉に「眉間にしわを寄せてこっちを見ている」と、「私も笑ってないかも?!」と思って疲れを吹き飛ばすくらいの笑顔をつくろうと努力します。
すると、笑顔は伝染していきます。(気持ち的にもほっとします)

アクアビクスは水の乱流を作って、その抵抗を使ったスポーツです。

乱流の中のエネルギーをフル活用するには力が要ります。

インストラクターの見本を見て、水の中でも陸上と同じように動かしたりすれば抵抗が生まれ筋肉も使い、「どうしたら陸上のインストラクターのようにできるようになるのか」考えてます。
でも自分自身は水の中にいるので、陸上と同じスピードでは動けません。
乱流の中でバランスをうまくとりつつ、インストラクターの説明を聞いて理解して、その通りに姿勢を作って動いて、また次の動作になって…脳は陸上と水中とのギャップを感じる空間の中で指令を出しっぱなしにしています。

「ここぞというときに笑っていられる人は、かっこいい」「面白いポーズだな」など動機やきっかけはなんでもかまいません。笑って乗り越えていると、腹筋も脳も使われて一石二鳥ですよ。

音楽に乗って、音楽に合わせて

公共のプールで自分のために音楽をかけることは難しいですが、頭の中で音楽を流して泳ぐことがリラックスにもなり、別の泳ぎができる自分に変身するきっかけになります。

嫌いな音楽に合わせてみると自然と顔はこわばって、長続きしません。
逆にその嫌いな音楽に合わせて演技するように表情を変えると、泳ぎ方も荒々しくなったり、ガンガン腕を回して行ったりと色々な変化がでてきます。

音楽に乗っていくことも面白いですが、音楽に合わせて「演技する」ように泳ぐことも、気持ちのアップダウンや体の楽な動かし方の発見につながります。こうして脳の中に、またあたらしく経験値がストックされて活性化していきます。

まだまだ知らない水の力

音楽をかけているアクアビクスやスクールなどでは、その音楽に合わせて演技してみると、顔の表情筋も柔らかくなり、気持ちの幅が広がり、脳の中に眠っていた「あまり使ってこなかった感情に関する言葉辞典」が開かれていきます。

言葉を絞り出そうと脳は活性して、ますます表現力も磨かれて「自分の気持ちを受け止め」たり、「相手に自分の気持ちを伝える」ことができたり、「胸が詰まる」「背中がしゃんとする」といった体が出てくる言葉の意味が「なるほどー!こういうことだったのね」「本当に胸が詰まるのね」などなど腑に落ちる方もいらっしゃいます。

私はもっともっと水の中には、脳を活性化させる秘めた力がいっぱいあると思います。