【最新版】平泳ぎで膝の負担で痛いと思った時は!?

こんにちは!
東京三鷹市のパーソナル水泳インストラクターの酒井やすはです。

平泳ぎは、4種目の中で一番ゆるーく見える泳ぎ方、ですよね。
遠泳でも顔を上げた平泳ぎをゆったり楽に泳いで、長い距離を泳ぎ切る光景は、テレビでも時々放送されます。

「私は膝が悪いから平泳ぎできないよね」と躊躇される方もいらっしゃるのではないでしょうか?

実は平泳ぎは、「膝を痛めない」泳ぎ方が正解なんです。

楽チンな無理のない、膝がラク~になる泳ぎ方お伝えします♪

詳しく見てみましょう!

そもそも、平泳ぎとは?

平泳ぎとは、両手両足を同時に、上半身と下半身を交互に動かす泳ぎです。
顔を上げて泳ぐことのできる泳ぎで、昔から人がなじんできた泳ぎ方。
「4種目の中で一番、生活の中であんな風に手足を動かすことはないから、平泳ぎは負担のある泳ぎだ」と言われることもありますが、平泳ぎの動作一つ一つを分解すると、「生活でやった動きを組み合わせてできたもの」。
むしろ「普段やっている姿勢」を生かした泳ぎ方なので、体になじみやすい泳ぎです。

ドーバー海峡を単独で初めて横断に成功した方も平泳ぎでしたし、かつての日本人が甲冑を着て泳ぐような状態にあったときも、平泳ぎやその展開した泳ぎ方をしていた、ヒトになじみ深い泳ぎなのです。

膝が快適な♪平泳ぎ

ちょっぴり自慢なのですが、平泳ぎで膝が痛い人、アクアマルシェではいないんです。

元々痛みを気にしてる方が少なかったのもありますが、泳いでいて痛くなったり、痛みがひどくなる方はいません。

平泳ぎで膝が痛くなるのは、見た目は姿勢がソックリでも実は違う泳ぎ方をしてるのでは…?という可能性もあります。

平泳ぎの脚は「かえる」ではない?!

よく「かえる足だよ」と例えられる平泳ぎの足ですが、本当に「かえる」ですか?
かえるのように、脚をべたーっと水平にして、胴体近くまで太ももを引き付けることはないのです。
股関節が開脚して、両足のかかとをくっつけて…なんて「かえる技」もしなくて大丈夫です。

どこか、このような無意識な先入観、もっていませんか?

平泳ぎで、脚を曲げるときには、親指が外側に向いている状態で、少し足のかかとを引くだけなんです。横から見ると膝の上にかかとがあるくらいです。
おしりのほっぺにくっつくまで、かかとを「エイヤ!」と引き付けることはありません。
「かえる」よりも、「ラジオ体操の大の字ジャンプ」に似てるかなと思います。
下の項目にある「陸上での練習のコツ」を見てみてくださいね。

でもこのようなケースで、膝の負担を抱える方、「痛い」と思う方、とっても多いのです。

まずはその先入観を「変える」ところからスタートしてください!(シャレですね)

平泳ぎの足を陸上で練習するには?

肩幅に足を開いて(ジャンプしやすいように親指が外に向いていてOK)、その場でジャンプします。飛んでいるときに両足を閉じ、地面に着地するときにまた肩幅に足を開いて安定して着地しましょう。

膝の痛みは、「使い過ぎ」?

現代のコンクリートジャングルなどと呼ばれるまでの、平坦な道が多いですよね。

同じ道を通り、同じ姿勢の歩き方が続くと、同じ場所の筋肉や軟骨を使い続けることになりますね。

昔はコンクリートの道は少なく、草が生えていたり土や砂利をうまく滑らないように踏みしめて歩いていたので、水の中のように(?!)あちこちの筋肉を使い、バランスを取りながら歩いていたのです。

また、日本人は草履や下駄といった履き物を履いていて、自然と親指と人差し指に適度に力が入る歩き方をしていました。
更には、「ナンバ歩き」と言って、右手右足が一緒に出る歩き方をしてました。

時代劇や大河ドラマを見ると、その歩き方は靴の歩き方とまるで違います。
床の上を滑るような独特の足の運び方ですよね。

とても体幹を使う歩き方だったのです。

この道の問題と歩き方が近代に入って、欧米に習って変えてきた結果、弊害として体幹を使いにくい姿勢、指を使わない歩き方の方が増えたのです。

水中では浮力があるため膝への負担が軽くなり、痛みが和らぎます。
ふわりと余裕のできた膝関節で、正しく膝を使う姿勢を染み込ませ、水中ウォーキングをして体幹を鍛えたり筋力アップさせることに貢献してくれます。

お腹が伸びてて泳げない?チェック方法

膝への負担が大きくなる理由に、腰が反っている姿勢で泳ぎ続けることも原因の一つです。
もしプールにビート板があったら、ビート板をお腹の下へ入れて、け伸びや平泳ぎをしてみてください。ビート板がスポンと抜けてしまったら、お腹が平らではないということ。
鼻から下へ向かって息を吐くと、お腹が上に上がる感覚があるので、腹筋(胃の周り)を締めやすくなるので姿勢がきれいに保てます。
お腹は筒、つまり立体的な楕円状態です。
この楕円の真ん中より背中側に背骨が通っています。
この背骨をイメージしてお腹の筋肉が動くことを感じてみましょう。

お腹が伸びている感じ、腰が反っている感覚ではビート板が体の下から逃げてしまいます。
膝を曲げたときにビート板が抜けてしまうのか、両足をそろえたときにビート板が抜けてしまうのか、またはグラグラとビート板が揺れてしまうのか…ビート板が抜けやすくなるポイントを知ると、になることに気が付きます。グラグラを感じたときでもビート板が抜けないように胃袋を締める意識をしていてください。

平泳ぎで膝の負担が軽くなる

平泳ぎではウォーキング程度に本当にごく軽く膝を曲げることができれば泳ぐことのできる種目です。
もし今痛みがあって平泳ぎを泳がないといけない事情のある方なら、痛みのないところを曲げてくれば良いのです。いつも使っている部分の使い過ぎも考えられるからです。

平泳ぎのバリエーション
あなたは腕派?脚派?それとも?

平泳ぎの泳ぎ方もいろいろあります。

男性や腕に力の自信がある方は腕で水をかきこんだ泳ぎ方、女性や脚に自信のある方は脚で水を引っ掛け巻き込む泳ぎ方とやりやすさの傾向があります。
「どっちかよく分からないな」という方はけ伸びをしてみてください。
け伸びをしてみて、水の中での体の浮き沈みを感じてみましょう。

筋肉質でがっちり体型の方は水に対して沈みやすい人、水の中で浮きやすい人がいらっしゃると思います。
沈みやすい方は「腕でかき込む平泳ぎ」から、浮きやすい方は「脚で巻き込む平泳ぎ」から練習をやってみてください。

どの方が泳ぎやすいか、バリエーションを試してみてくださいね。

平泳ぎが止まってしまう「原因」は?

平泳ぎの練習で、腕の形を確認するときに、よく「ハート形に腕をかいて」「逆三角形に腕をかいて」と言われることがあります。
ですが、きっちりその「形」をかいているわけではありません。

泳いでいるとき、体は前に進んでいるので、実際問題としてきっちり形をかこうとすると泳ぎが止まってしまい、それが「平泳ぎは進まない」原因となるのです。
立っている状態で腕の練習するときは、「スカーリング」と呼ばれる手を横に動かして水を引っ掛けてかき込む動作を練習してみましょう。
膝に負担がかかる方は、腕の技術が磨かれることで、より膝への負担が軽く感じられるはずです。

ポイントは、人差し指と、人差し指から肘の内側まで、まっすぐ一本の線でつながっていることを意識することです。
こうすると、水を感じやすくなります。お試しあれ!

バタフライのキックの平泳ぎ

また、膝が負担だと感じたら、キックだけバタフライのように両足をそろえて同時に動かす(ドルフィンキックと呼ばれます)ことで、膝への負担がなくなります。

手は平泳ぎの「平たくかき込む」形、脚は「ドルフィンキック」です。

水泳の練習をやってきた方は、手足のリズムをとったり、体幹トレーニングとしてやったことのある「練習の泳ぎ方」かもしれません。

「えーこんなの平泳ぎなの?」と思われるかもしれませんが、昔の平泳ぎは、この「脚がバタフライの平泳ぎ」が普通の「平泳ぎ」でした。

時代とともに泳法が変わり、バタフライと区別するため、競技上今の平たい脚の形になったのです。

ドルフィンキックの方が股関節も開きすぎることがないので、人工関節を入れている方もより安心して平泳ぎをすることができます。

またここから平泳ぎを始めて股関節の正しい動かし方が分かり、ちょっとずつ関節の動く幅が広がって、現代の「平泳ぎ」ができるようになったご高齢の方もいます。

カラダって本当に不思議ですね。