水泳のカロリー消費量と計算の方法について

こんにちは!
東京三鷹市のパーソナル水泳インストラクターの酒井やすはです。

水泳はスポーツの中で「全身運動」ができることもあって、体づくりからダイエット等、幅広い目的で愛されているスポーツです。
体づくりやダイエットと言うと、「どのくらいカロリーが消費されているかな?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

今回は、水泳のカロリー消費と計算の方法をテーマにお伝えしていきます。

カロリーとはエネルギーの単位のこと。
「1キロカロリー=1000カロリー」です。

あなたが何かを食べた時、その食べ物を燃料として代謝し、エネルギーが生まれ、このエネルギーを使ってあなたの体は動いて言います。

もともと人の体は、体をベストバランスに整える働きがあり、「風邪をひかないカラダ」「イキイキ動けるカラダ」などなど、自然と調整してくれています。

なので、厳密にいえば、「運動して食べたカロリーを消費しよう」というのは本来誤りで、「食べたエネルギーを消費しよう」が正解です。

日常生活では、「カロリー=エネルギー」として使われていることが多くあります。
食品表示に「カロリー控えめ」と書かれていたり、「糖質・脂質=カロリー」「カロリー=栄養素の多さ」と誤解されていたりすることも多いのですが、あくまで単位ということをまずは知っておきましょう。

一般的にエネルギーとカロリーが同じように言葉として使われているため、この後は「エネルギー(カロリー)」「カロリー(エネルギー)」と表記してご説明させていただきます。

食べ物の「エネルギー(カロリー)」と運動の「エネルギー(カロリー)」

一般的に「低カロリーならダイエットに良い」「高カロリーなら運動量が多い」と言われることが多い食品とスポーツですが、ここも今一度確認しておきましょう。

低カロリーなら本当にダイエットに良いのでしょうか?

具体的に確認してみましょう。
サラダは低カロリー(エネルギー)ですが、このままで栄養素が十分でしょうか?

ちがいますよね。

サラダはビタミンが含まれていますが、例えばここに自然塩と菜種油をかければ体に優しくサラダだけでは不足していたミネラルや良質な油が入ることで、栄養素が体にいきわたり、あなたの体のめぐりを良くしてくれます。

※自然塩;海と同じバランスでミネラルを含んでいる塩。調味料としての塩化ナトリウムとしての塩は、他のミネラルが不十分なため、区別して言葉を使いました。

運動はどうでしょうか?
水泳を例に確認してみましょう。
クロールを1時間、同じ距離、同じ速さ、同じ性別の人が泳ぐとします。
体重が変われば、消費するエネルギーに差が出てきます。
同じ人であっても強度が変わればやはりエネルギーに差は生まれます。
速く泳げば泳ぐほど、消費エネルギー(カロリー)は多くなります。

それでは、消費エネルギー(カロリー)が多ければあなたが理想とするように痩せるのでしょうか?

これもちがいますよね。

確かに痩せますが、体の使い方次第で「筋肉のつき方」が変わり、伴って「痩せ方」が変わります。
腹筋をよく使えば、お腹周りでエネルギーが多く使われ、体全体の中の「お腹周り」が消費されたエネルギーの内訳が多くなりますし、あまり腕を使わなければ腕の消費エネルギーが小さいままです。

食品のエネルギー(カロリー)計算も大変ですが、運動にしては個人差が大きいので基準はあっても一概に「今日はクロール頑張ったから、これだけのカロリーが…」とは言いにくいのです。

エネルギーの計算はいろいろありますし、様々な見解があります。
「一体どれがいいの?」と迷われる方もいらっしゃると思うので、いくつかご紹介します。

運動で消費するエネルギー(カロリー)の計算する方法の一つに「METS(メッツ)」(metabolic equivalents)という指標を使って、水泳の泳法ごとの消費エネルギー(カロリー)量をご紹介します。

このMETSは、安静時の代謝を基準として、安静時と比較して、どれくらいのカロリーを消費するかの目安の計算式です。
メタボ検診など使われています。

計算式は、次の通りとなります。

エネルギー消費量(kcal)=1.05×体重(kg)×METS×時間(H)

【METS表】
目安=普通の歩行(4~6km/h)=3~4METS、
水泳、背泳ぎ=7METS
水泳、平泳ぎ=10METS
水泳、クロール(25mを34秒以上で回る速さ)=8METS
水泳、クロール(25mを33秒以内で回る速さ)=11 METS
水泳、バタフライ=11 METS

これで計算すると、体重50kgの方が平泳ぎ(10 METS)で 30分泳いだら

体重50Kg、平泳ぎ(10 METS)で 30分 ⇒ 262.5kcal 消費

となるのです。

「補正係数」とは年代と性別により区別した以下の数値で、これを使って消費エネルギー(カロリー)計算する方法もあります。
計算式は「補正係数×体重×体重1kgが1分間に消費するカロリー×水泳する時間」です。

<補正係数>
【女性】
女性20~29歳 0.95
女性30~39歳 0.87
女性40~49歳 0.85

【男性】
男性20~29歳 1.00
男性30~39歳 0.96
男性40~49歳 0.94

<体重1kgが1分間に消費するカロリー>
クロール=0.37kcal
平泳ぎ=0.19kcal
水中ウォーキング=0.9kcal

例えば、体重50kgの20代の女性が、1時間平泳ぎをした場合の消費カロリーは下記の計算方法で求められます。

50(kg) x 0.19 x 60(分) x 0.95 =570キロカロリー

となるのです。

一般的なエネルギー(カロリー)消費の7割は基礎代謝で、残り3割が運動・生活活動等による消費です。

そして計算してお分かりかもしれませんが、計算式が変わるとカロリー消費量(せいっくにはエネルギー消費量)の数値にばらつきが出てしまいます。

これはなぜでしょうか?

一般的にスポーツの消費量で設定されている運動量は、「運動ができる人」が統計の基準に設定されているのです。
ということは、「ゆったり長く泳ぐ」など健康志向でスポーツをされている方には、不向きな計算式が多いということなのです。

また、時代により計算式も増えたり、消費カロリー(エネルギー)だけで判断することもできないので、私たちがエネルギー量を気にしつつ楽しむためには別の見方が必要です。

泳法によって、人によって、また同じ人でも使う筋肉によって、部位による消費カロリー(エネルギー)が違います。

でもどれだけ運動してどのように体が変わったのか、変化をみるのにもっと手っ取り早い方法があります。

① 鏡をみる
② 心拍数や距離、時間を見る

鏡で自分のプロポーションを見ることは大切です。
痩せたいところに筋肉が効いているのか確認しながら水泳をし、プールで泳ぐ前後の体の変化を見てみることで、ちゃんと効いたのか確認もできます。
「体を動かして、そんなに変わるの?」と聞かれそうですが、「カラダは粘土」と整体の先生に言われて確かに!と思ったことがあります。

意外と変わる!その変化を楽しんでください。

また、心拍数や距離、泳いだ時間などは、一番分かりやすいのではないでしょうか?
1時間はきついと思っていたけど、意外と泳げた。
心拍数が上がっても大丈夫だった。
昨日より50m長く泳げた。
などなど、水泳前後の予定と甘味して考えられていくと、自分の「ベストバランス」が分かるようになり、体力が上がっていることに気付くはずです。

手帳に数字を簡単に記入しておいて、折れ線グラフにしてみると、その頑張った奇跡が(軌跡が)わかりますよ。

数値に対して嫌悪感がある方の場合なら、泳いだ前後の気持ちの変化も10段階や一言添えて書いておくと、より自分のことが見えてきますよ。

これだけで、ずいぶん変わってきますよ。
お試しくださいね。