水泳でのダイエットが生むお腹の変化

こんにちは!
東京三鷹市のパーソナル水泳インストラクターの酒井やすはです。

ダイエットしたカラダのパーツ上位にランクインする「お腹」。
水泳ではどのようにお腹が変化するのでしょうか?

「お腹の変化って、腹筋でしょ?一緒じゃないの?」と思われた方、多いと思います。
でも、お腹の使い方次第、「こういう方法もあったんだ~」と思うような「水泳の使い方」もご紹介しますね。

目指すのは、どんなお腹?

もしこの記事をご覧のみなさんが女性なら、「板チョコのようなバキバキのお腹を目指したい」という方はそこまで多くないのかなとお察しします。

簡単に言いますと、お腹は6パックまで割れます。
はじめにタテに一本筋がすーっと入り、次に4つに割れ、最後に6つに割れます。

女性が4つから6つに割るのは男性と比べてちょっとしんどい時期もありますし、6パックまで割れる頃になると、大方体全体がランナーのような「皮膚の下がすぐ筋肉だ」という体型になっています。

水泳で腹筋を割ることはできますが、陸上で腹筋をする方が早く叶います。特に男性は早いです。ただし、腹筋できいないくらいお腹がポッコリ出ている方の場合、陸上の腹筋はかなりしんどいですし、腰を痛める可能性もあるので、水中ウォーキングで姿勢を正すことから始めてもいいかもしれません。
「泳ぎもできるようになりたいし、そこまで割らなくてもいいかな」「腹筋がしんどい人の場合、どうしたらいいんだろう?」と思われた方、ぜひ続きを読んでみてください。

まずは姿勢を正してタテに一本筋を入れたい♪

お腹を鍛えるとき「足を立てて床からひざまで上半身を起こす」あの腹筋のやり方以外にも、腹筋を鍛える方法があります。

まずは姿勢を正すことです。

それだけ?と思われるかもしれませんが、壁に後頭部・肩甲骨・お尻・かかと・二の腕を付けて立ってみてください。
付かないところや意識しないと壁につかない場所は、ちょっと体の使い方に癖があるようです。

もしパートナーがいらっしゃれば、お腹を斜め下から上へ軽く押し上げてもらってみてください。
内臓が前の方に出てきていたことが分かりやすいと思います。

手を離してもらっても、そのお腹の位置をキープできるように意識してみてください。

腹筋と一口に言っても面積は広いのですが、あなたに足りない腹筋は「今意識して頑張っているそこの筋肉」です。

立っているときも座っているときも、ちょっと意識してみてください。

もちろん、水の上に浮いているときもです。

はじめはふらついてしまうかもしれませんが、きちんとお腹が使えれば、足先からカラダ全体が水面に浮いてドライになっています。

見た目は地味ですが、意外と浮くことのしんどさと感じられるトレーニングです。

お腹に力を集める方法

お腹を割ろうと思ったとき、表面に意識が向きがちですが、お腹は立体的です。
MRI画像のように断面で切ったとイメージするとわかりやすいかと思います。
楕円型をしていて、この真ん中を意識して息を吐きながらお腹を絞ると、お腹の中心に力を集めることができます。
横腹も背筋もキューっと絞れますよね。

また、姿勢が猫背では力が逃げてしまい、うまくお腹に力を集めることができません。
背筋をチェックしてみてください。

お腹と背中はセットで♪
お腹を鍛える前提として、背中に筋肉があることも大切です。

足の運動になりがちなスクワットも、背面を意識したスクワット(お尻を引いて少し前かがみのような姿勢になります)をしたりして、背筋を鍛えることが叶います。

水泳では水面にまっすぐ浮く姿勢のときに、背中がまっすぐパチッと浮けるかどうかをチェックします。
お腹が沈みがちだったり、足が沈みがちだったりすると、どこか背骨や骨盤が曲がっているサインです。浮力があるために曲がりやすいのですが、注意したいのは「床の上で寝ている姿勢」と「水の上で寝ている姿勢」は「全くベツモノ」ということです。

床の上では背中がまっすぐであることは意識していないことが多いと思いますが、水の上では「背筋」を使わないとまっすぐになれないのです。

まっすぐきれいな背中を作るには、後頭部からお尻にかけて背骨がまっすぐ通っていることを意識して、背骨にキューっと筋肉が集まるようにしてみましょう。肩や胸は張ることはありません。むしろとてもリラックスしています。

また、展開エクササイズとして、背中側に息が入るように呼吸をしたり、上向き姿勢のまま体を左右に「く」の字にして、右わき腹に空気を入れ、左わき腹に空気を入れ…とより背中の広さを実感してみてください。
泳ぐときにも、息の吸い込み方、息をどこまで、どのくらいの量を入れるのか、などなどの指針になりますよ。

胸を鎮める

背中をまっすぐにするためには、ちょうどポニーテールを作るあたりがプールの底へ引っ張られるような意識が必要です。ですが、頭は重い割には浮いているので、鎖骨から胸板あたりにかけてを意識していないと「首(アゴ)が出ている」状態になります。

背泳ぎがつらい人は、意外にもここの落とし穴にはまって、「肩がこる…」という方が多いようです。

能のお面のようなな、ゴーグルのきわまで水に浸かっているくらいで、泳ぐときも浮くときもちょうどよい高さになります。

はじめは難しいかもしれませんが、練習すればできるようになりますし、上を向いたけ伸びが楽になり、壁を蹴らなくても推進力がついて上向きのけ伸びが進むようになります。

体づくりと水泳と、一石二鳥ですね。

水の中で腹筋してみる

公共のプールでは注意されるかもしれませんが、床に一度寝てから脚を上げて壁にくっつけ、頭を少し上げる腹筋の姿勢をとってみます。

おへそのあたりがクシュっと締まります。この姿勢をキープすることができたら、そのまま骨盤を上にあげてみます。すると「お腹を締める」と同じように、立体的なお腹の中心に力が集まります。ちょうど胃袋に力が入るような姿勢になります。

また、浮いた状態で長座退屈の姿勢をキープすることも腹筋をつかいます。
お腹から脚を引っ張り上げるイメージで行うと、太ももが楽になり、腹筋だけを使える姿勢になります。
手はスカーリング(手のひらを横にした八の字に動かす)か、小さいビート版を手のひらの下に乗せるなどして浮いてみます。
スカーリングにすれば泳ぎの中で水をつかむ練習にもなります。

長い時間に挑戦してみたり、脚を腹筋の力で上げて行ったりするとより効果的です。

1本タテの筋が入るのは、「案外できたな」とおっしゃる方もいらっしゃるのでぜひトライしてみてくださいね。

4つに割りたい♪

「胸を鎮める」進化形

「胸を鎮める」でお伝えしたエクササイズをするときに、もう少し注文を加えていきましょう。

お尻をキューっと締めて小さくしていき、きちんとお尻の穴が真横に向き、脚が浮くようにします。

見た目は地味ですが、結構きついと思う方も多いと思います。

ですが、陸上で例えるならバレエの基本姿勢を無重力状態でやっているようなモノで、「私の体はどうなっているんだ?」とあちこち動かしていくことで次第に脳の指令も届きやすくなり、体が変わっていきます。
股関節が堅めの方はこりっとした手ごたえを感じるかもしれませんが、筋や骨でなければ脱臼ではありません。

股関節が不安な方は脚をぴったりと閉じて内側を締めます。

お腹が沈みやすくなって来たら、背中を板のようにバシッと決めるサインです。

この時に背中を意識して、胸をしっかり鎮めていきましょう。

いつも背中に壁がある

陸上で歩いたり立ったりしたとき、いつも背中に壁があれば寄りかかることができて疲れにくくなると思いませんか?

背中を作ると、背中の筋肉がちゃんと壁になってくれるので、いつも背中に壁があって寄りかかっているような感覚になります。
こうなると、座っていても立っていても、きれいな姿勢を意識しなくてもちゃんとキープできます。

お腹もほどよく筋肉がついて、立ち姿もすっとしています。
のどの通りがよくなり呼吸もしやすく、首もすらりと長くなるので「エクササイズのあとは視野が広がった」と感じる方もいらっしゃいます。
視界が広がることで、鎖骨もちゃんと開きすぎず縮こまりすぎない位置に落ち着いてきます。
胸がちゃんと前に向き、目に入る光が多くなるので、気持ちも前向きになっていきます。

応用編ヌードルを使ってみよう♪

ヌードルを使った運動でも陸上で同じ動きをやるとかなりしんどく、腰にも負荷がかかりやすいので、回数重ねてがんばれるのは水中だからこそ!
腰を捻らないので、不安な方もチャレンジしやすいと思います。

早速やってみましょう♪

1ヌードルを両手で上から肩幅に広げて持ちます。

2脚を肩幅に広げてかかと重心で立ち、おへそを正面に向けたまま、ヌードルを持った手を水面で真横にスライドします。顔も真横を見ます。

3片側ができたら正面を向いて逆側も行います。

ヌードルがなくても、ビート板かプルブイでやってみましょう。
「お腹周りのお肉が、エクササイズの邪魔してる」と気になった方は、「なくなれーなくなれー」と言いながらやってみてください。

水を使ったエクササイズで、お腹が変化するだけではなく、カラダと一緒に心も変わっていくのです。
とても面白いカラダの冒険なのです。